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小児 便秘症まとめ③ ~年齢別の便秘の特徴・対策~
こんにちはtamakiです!
便秘症についてまとめ、第三章になります!
1歳以下の乳児の便秘症
乳児の便秘は結構多いです!
生まれた頃から便秘気味だった子もいれば、離乳食が始まったあたりから便秘になる子もまで様々です。
「完全母乳なので便秘にならないと聞いたのですが・・・」
親御さんから、このようなお話をよく聞きます。
結論からいうと、母乳栄養児だからといって便秘にならないわけでもないし、粉ミルクだからといって極端に便秘になりやすいといったこともありません!
小児科医によっては「便秘が続いていても、本人の活気もあり、体重増加も十分であれば大丈夫ですよ!」という先生もいるでしょう。
確かに、本人に自覚症状がなく、成長・発達においても特に問題がなければ「まぁ、大丈夫だろう」と考えてしまう気持ちも少なからずわかります。
しかし、便秘症は「癖になってしまう」ため、しっかりと介入してあげないと大腸に便が貯まるパターンが固定されてしまいます。
そうならないために、便秘の子は本人が元気であってもなるべく早めに介入してあげましょう!
完全母乳なのに便秘になるのはなぜ?
先程の話に戻りますが、完全母乳なのに便秘になってしまう原因として、もっとも多い原因は「母乳量不足」によるものです。
母乳が足りているのかどうかの判断は難しいですが、わかりやすい指標としては「体重がちゃんと増えているか」をチェックしましょう。
赤ちゃんのミルクを飲む量や体重増加にについてはまた別途まとめようと思います。
便秘のときに気をつけた方がよい症状
便秘がひどいと、赤ちゃんも苦しいサインを出します。
嘔吐する
便秘に加えてこういう症状があるときは、一度 医療機関を受診した方が良いでしょう。
赤ちゃんのお腹の張り具合といっても、一般の方には少し判断が難しいと思います。
また、赤ちゃんの嘔吐の原因といっても様々な原因が考えられます。 いずれにしても、「便秘+お腹の張り」や「便秘+嘔吐」と症状が被さっている状況では、便秘を改善してあげることで、苦しさが和らぐかもしれません。
病院に受診するタイミング
便秘症状があっても赤ちゃんに全く症状がなく、元気であれば、3-4日の便秘は様子を診てもいいでしょう。
ただ、先程のような苦しいサインをみせたり、体重があまり増えていないようなら早めに病院受診をおすすめします。
便秘のときにでてくるうんちの特徴
完全母乳であれば、赤ちゃんの健康的なうんちは明るい黄色で、顆粒状と黄色液が混じったものになります。
もし便秘がひどいときは腸内細菌叢のバランスが崩れてしまうため
- 臭い便
- ねっとりとした便
- 灰色がかかったくすんだ緑色の便
になってきます。うんちの特徴でお腹の中の様子もある程度わかるものです。
乳児の便秘の治療
赤ちゃんの便秘の特徴についてお話してきましたが、では実際に1歳以下の赤ちゃんの便秘はどのように治療しているのでしょうか。まとめてみましょう!
乳児の便秘症の治療
- 肛門刺激
- おなかのマッサージ
- 果汁
- ヨーグルト
- 糖類下剤
- その他の下剤
肛門刺激
綿棒に食用油、ワセリンなど滑りを良くするものを塗って1-2cmほど挿入します。
先あたりがないことを確認しながら、綿棒をゆっくりと円を描くように回してみます。
綿棒を入れた瞬間にうんちが飛び出くることもあります。
肛門を傷めないように優しくやれば、毎日やっても大丈夫ですし、便秘がひどくて苦しんでいれば、1日2-3回やっても大丈夫です。
綿棒をいれる長さですが、身近なもので測るなら、1円玉の直径がちょうど2cmですので参考にされるといいと思います。
お腹のマッサージ
ベビーマッサージで排便が得られることもあります。
特別な訓練はいらず、お腹に手を当てて「の」を描くようにやさしく撫でてあげましょう。
お腹に手を当ててあげるだけでも、意外に効果があります。
果汁
プルーン、りんご、柑橘系の果汁を3倍くらいにうすめて、10-20mlほど飲ませます。
ヨーグルト
離乳食が始まっている赤ちゃんであれば、毎日少しずつヨーグルトを食べさせるのも良いでしょう。その時に、オリゴ糖を加えると良いとされています。
糖類下剤
第二章で解説した薬による治療ですね。マルツエキスやラクツロースを試してみます。
詳しくは第二章を参照にしてみてください。
その他の下剤
上記でもうまく行かない場合は、グリセリン浣腸やラキソベロンを試してみたりしますが、医師に一度 相談したほうがよいでしょう。
1歳~小学生にあがるまでの便秘症
1歳を過ぎるあたりからは、離乳食が進んで食事形態も少しずつ大人に近いものになってきます。
親御さんとしては食事の形態や何を食べさせればいいのかというところの悩みが増えることでしょう。
ここで「離乳食」という言葉についてですが、この言葉は僕はあまり好きではありません。(一般的に日本では離乳食というので使用していますが)
離乳食が始まると、親御さんの頭の中では早く離乳食を進めて、母乳をやめようと考えてしまう方が多いと思います。
離乳は、いつまでにしなければならないというものではありません。特に母乳は赤ちゃんの赤ちゃんの頭を良くするだけでなく、免疫を強くしてくれるため、幼稚園や保育園にいっても母乳が出るのであれば、母乳を与えても良いのです。
本人が欲しがっていて、お母さんがまだ母乳が出るのであれば、2歳頃になっても飲ませてあげることを強くオススメします。
2歳頃からは偏食も始まってきて、食事内容や食事量のバランスが難しくなってきます。
食事環境を整えるのは思った以上に難しいため、食事環境だけで便秘をなんとかしようとはせず、便秘がひどいようなら素直にお薬で治しましょう。
何度も言っていますが、薬が癖になることはありませんが、便秘は癖になります。
幼稚園や保育園に入ると、集団生活や規則正しい生活習慣が身についてくるため、便秘が治るといったお子さんもいます。
登園する前にうんちを済ませるといったリズムなどが作れるといいですね。
小学校にあがるまでに便秘症を治したいという気持ちはどの親御さんにとっても共通だと思います。
しかし、あまりに焦るとお子さんも うんちをすることがストレスになってしまうため、ゆっくりと確実に治していきましょう。
小学生~中学生の便秘症
小学生以上になると便秘症で悩むお子さんはだいぶ少なくなります。それこそ中学生になればさらに少なくなります。
その頃になると多いのは、基本的には毎日排便があるが、たまに急激にお腹が痛くなって病院の救急外来にやってくるといったパターンです。
本人の体調や食事環境等により、一時的に便秘になってしまい腹痛を伴うのが原因です。
そういった症状に対しては、内服薬を始めるよりもグリセリン浣腸などで、今溜まっている便をスッキリさせてあげることで解消に繋がることが多いです。
乳幼児の頃から排便コントロールがうまく行かず便秘癖がついてしまい、この頃から便秘を主訴に病院にくる子もいます。
こういった悩みで病院を受診してくる方もいます。
ここが一番、難しい問題です。トイレでうんちができないことを否定してもダメですし、かといって いつまでもオムツでいてもいいよ というのも本人の社会的な成長をみても好ましくありません。
では知らんぷりがいいのか。本人が自覚して自立するまで見て見ぬ振りを続けるのが良いのか。それも好ましくありません。
基本的なスタンスとしては、本人の意思を尊重し、本人がどんな選択を取ろうとも寄り添う意思を伝えましょう。パパやママは決して敵じゃないよという関係性を確実にするのが大切です。その上で、トイレでうんちをする機会や気付きを増やしてあげるのです。
「オムツでうんちをするという選択をとってもいいんだよ。 オムツをしていて良いこともあれば、オムツにうんちをしてしまって嫌な気持ちになることもあるよね。どちらも経験してるからこそ、 トイレでうんちができた方が良かったなって思えることが増えてくるかもしれないね。そういう時は自分はどうしたかったのか、いつでもパパやママにお話してね。 一緒に考えていこうね。」
関係性を構築した上で、トイレでうんちができたことをしっかり褒めてあげましょう。オムツにうんちをしたこと、オムツを履くことに関して叱責したり否定した言葉を投げかけないように心がけ、トイレでうんちをすることの関心を増やし、また恐怖心を抱かないように寄り添っていきます。
ここでの親の仕事は辛抱です。
以上で便秘症の第三章は終了です。
これでひとまず便秘症については一通りまとめられたかなと思います。
今回は先天性の便秘症(肛門閉鎖やヒルシュスプルング病など)については触れなかったので、いずれ新生児についてまとめる時に触れていきたいと思います。
では、また:)
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