かんがるーけあ

Home » おすすめ記事 » 小児のけいれん / 熱性けいれんを徹底解説!

小児のけいれん / 熱性けいれんを徹底解説!

calendar

reload

小児のけいれん / 熱性けいれんを徹底解説!

スポンサーリンク

小児 けいれん・てんかん まとめ③ ~熱性けいれん~

こんにちは! tamakiです:)

今回から、けいれん・てんかんの各論をまとめていきたいと思います・・・が!

思ったより熱性けいれんの内容が多くなってしまったので、今回は熱性けいれんに特化して解説していこうと思います。

第三章 ~けいれん各論~

熱性けいれん
・ 熱性けいれん定義
・ 発作様式
・ 熱性けいれんの"型"
→ 後遺症はあるの?
・ 熱性けいれんの再発率
・ 熱性けいれんの検査
・ 熱性けいれんの治療
・ ダイアップの予防投与
・ ジアゼパム以外の抗てんかん薬は効かないの?

 


 

熱性けいれん

熱性けいれんは小児で一番みることが多い けいれんではないでしょうか。

僕の経験では、夜間に「赤ちゃんがけいれんした!!」ってことで親御さんが救急要請をして運ばれてきます。運ばれてきたときにはすでに発作は治まっていて、おしりにダイアップ座薬(抗けいれん薬)を入れて帰宅といったパターンが多いです。

熱性けいれんは初めてみるとびっくりしてしまうのですが、熱に伴って一時的に起こっている"けいれん"なので、多くが一過性です。大丈夫ですので落ち着いてくださいね!

まずは熱性けいれんについて知識を深めましょう!ひとつひとつ内容を理解していきましょう!

 


 

熱性けいれんの定義

まずは定義を確認しましょう。

定義
・ 主に生後6-60ヶ月(5歳)までの乳幼児に起こる。
・ 通常は38℃以上の発熱に伴う発作性疾患(けいれん性、非けいれん性を含む)で、髄膜炎などの中枢神経感染症、代謝異常、その他の明らかな発作の原因がみられないもの。
・ てんかんの既往があるものは除外される。
・ 女児に多い

 

上記のようになっていますが、わかりやすく図解するとこんな感じです。

 

イメージとしてはクレヨンしんちゃんの ひまわり(女の子)くらいの年代に子に起こりやすく、発熱に伴ってけいれん症状が出てくるというものです!

良く聞かれる質問が

「5歳以上の子には起こらないの?」

 

という質問ですが、結論としては 起こります! ただし、年齢が高い場合はてんかんの可能性が否定できず、脳波検査などで精査をしたほうがよいでしょう。

次にどんな発作症状が出るのでしょうか。

 


 

発作様式

実際に熱性がけいれんが起こった場合は下記のような発作症状がみられます。

発作様式
・ 眼球上転
・ 一点凝視
・ 脱力
・ 強直性間代性けいれん
↑上記のうち1つ以上を認める!

 

特に強直性間代性けいれんは熱性けいれんには特徴的ですね。
第一章で解説していますので参照してください。

 


 

熱性けいれんの"型"

また熱性けいれんには”単純型”と”複雑型”の2つの型があります。

ざっくりいうと、単純型は"軽症" 複雑型は"重症"といったイメージでしょうか。

複雑型熱性けいれん
① 焦点性発作(部分発作)の要素
② 15分以上持続する発作
③ 24時間以内に複数回反復する
上記の1つでも認めれば複雑型熱性けいれん

 

さらに複雑型は単純型に比べて
① 発作を何度も起こしやすい
② 低い熱(38℃以下)でも発作を起こす事がある
③ 5歳すぎても発作を起こす事がある
④ 一部の児でてんかんに移行する

 

簡単にまとめると、複雑型けいれんは、一度止まったけいれんが再度起こりやすかったり熱性けいれんというのに微熱くらいで起こったり発作時間が長がかったり脳に障害を残して”てんかん”になってしまったりするということがあるということです。

複雑型となり、脳に障害を残すようなことがなければ、基本的に後遺症はありません! お父さん、お母さんもご自身のお父さん、お母さんに自分の小さい頃の話を聞くと、意外にも熱性けいれんがあったという話を聞くことがあると思います。


 

熱性けいれんの再発率

熱性けいれんは一度は発作が治まっても、再度発作を起こすことがあります。

① 一般的に再発率は15%
② 以下の4つのうち、いずれかを認めたら、再発率は2倍(30%)!
1) 両親いずれかに熱性けいれんの既往
2) 1歳未満の発症
3) 発熱から1時間以内の発作
4) 発作時体温が39℃以下

 

後ほど解説しますが、熱性けいれんで病院に運ばれてきて、ダイアップを入れて帰宅とした場合に85%の子が”これっきり”熱性けいれんを起こすことなく、普段の生活に戻っていきます

しかし、15-30%の子が再度熱性けいれんを起こすことがありますので、そういった子は しばらく予防薬を飲むことになります。

 


 

熱性けいれんの検査

熱性けいれんというだけあって、基本的には高熱が出ていますので、熱源を探しにいきます感染性(髄膜炎など)。

しかし、これらの検査はガイドライン上、必ずしもやらなくても良いことになっています

例えば、普通に風邪をひいたお子さんが発熱で病院にきたときに全員が血液検査を受けますか?よほど体調が悪くなければ受けませんよね。

乳幼児は熱が出ると、高熱になりやすいため必ずしも検査をしなくても良いのです。 採血とか痛いですしね。

ただ、僕の病院では初回の熱性けいれんで救急外来に送られてきた子は血液検査をすることが多いです。というのも、けいれんの原因に低血糖や高アンモニア血症などもあるため、簡単に熱性けいれんと片付けるわけにはいかないからです。ケースバイケースですね。

また、意識障害をともなっていたり、髄膜炎などの脳症をきたしている可能性がある場合や、てんかん発作と区別するためには脳波の検査を行ったりします。

救急外来での初期対応を下記にチャートにまとめてみました!

 


 

熱性けいれんの治療

熱性けいれんでは"ダイアップ®"というジアゼパム系の座薬を使うことが多いです。

ここで第二章を思い出してほしいのですが、ダイアップの座薬は効果が出てくるのに30分以上かかります。

つまり、"今まさに けいれんが起こっている子には使用しません"

ダイアップはあくまで、"発作が治まっている子が再発しないように予防的に使用する"ものです。

"今まさに けいれんが起こっている子"には第二章で説明したように、けいれんの初期対応を行いましょう!

 

ダイアップは再発予防には有効とされていますが、同時に薬を使用すると子供が”とろん”と眠くなってしまうため、意識障害が起こっているかの判断が難しくなってしまうというデメリットもあります。

さてここで、ダイアップの効果についてまとめてみましょう!

ダイアップ座薬の投与方法
・ 1 回 0.4-0.5mg/kg (最大 10mg)

 

 

僕の病院では
4mg/回 体重<14kg
6mg/回 体重≧14kg

 

また2回法といって、ダイアップは2回使用する治療方針をとっています。

2回法:1個目挿肛後に8時間後に2個目を挿肛

 

 

1回目の薬の投与から8時間が経過すると薬の有効血中濃度(薬の予防効果がある状態)が低下してしまうため、8時間後に再度使用します

 


 

ダイアップの予防投与

さきほど、熱性けいれんの再発率は15-30%と言いましたが、熱性けいれんを繰り返してしまう場合には、発熱が出た時点で予防的にダイアップ使ってしまうという"予防投与"が推奨される子もいます。

ダイアップ予防投与が必要となる子は下記の通りです。

予防投与の適応基準
以下の①または②を満たす場合に使用する。
① 15分以上の発作があった場合
② 以下のうち2つ以上+2回以上のけいれん
・ 焦点発作(部分発作)または24時間以内に反復する
・ 神経学的異常 or 発達遅延
・ 熱性けんれん or てんかんの家族歴
・ 12ヶ月未満
・ 発熱後1時間未満での発作
・ 38℃未満での発作

 

ざっくりいうと、1回目の熱性けいれんが15分以上も続いてしまった場合は、予防投与を始めます。また、熱性けいれんを2回以上起こしていて、かつ、上記の項目を2つ以上満たしていた場合は予防投与を開始します。

予防投与のやりかた
・37.5℃を目安として、1回0.4-0.5mg/kg (最大10mg)を挿肛し、発熱が持続していれば8時間後に同量を追加する。

 

予防投与の期間
・ 最終発作から1-2年、もしくは4-5歳までの投与がよいと考えられるが明確なエビデンスはない。

 

予防投与のやり方は良いとして、予防投与をいつまで続けるのかという正確な基準はないんですね。


 

ジアゼパム以外の抗てんかん薬は効かないの?

もう一度、第二章に立ち返ってほしいのですが、そもそも、てんかん薬は けいれんには使用しません!けいれん≠大脳の異常だからです。

抗てんかん薬は大脳の興奮を抑える薬であり、熱性けいれんの根本的な治療は”熱源を治す”ことにあります。

しかし、ダイアップを使ってもけいれんが収まらない場合は下記内服薬を検討しても良いとされいます。

・ フェノバルビタール 3-5mg/kg/day 分1or分2
・ バルプロ酸 20-30mg/kg/day 分2 (徐放製剤の場合は分1も可)

あくまでレスキュー的な役割だと思ってください。

ちなみにさきほど、"熱源を治す"と言いましたが、実は発熱時に解熱剤を使用することが熱性けいれんを予防できるというエビデンスはないのです!

なので、予防のために解熱剤を使用することは推奨されていません。

予防に効果的なのはダイアップと考えください。


 

以上です! 今回は熱性けいれんについてまとめてみました! 次回は残りのけいれんについてもまとめて行こうと思います!

では、また:)

この記事をシェアする

コメント

コメントはありません。

down コメントを残す