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小児のけいれん / けいれんの種類と特徴まとめ!チックとトゥレット症候群の違いは?

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小児のけいれん / けいれんの種類と特徴まとめ!チックとトゥレット症候群の違いは?

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小児 けいれん・てんかん まとめ④ ~けいれん各論~

こんにちは! tamakiです:)

さて、前回は熱性けいれんについて特記して書きましたが、今回がは残りの小児によくみられるけいれんシリーズをについてまとめていこうと思います!

第三章 ~けいれん各論~

熱性けいれん
胃腸炎関連けいれん
息止め発作
チック/トゥレット症候群
失神・心因発作・急性代謝障害(低血糖、テタニー)

 


 

胃腸炎関連けいれん

胃腸炎関連けいれんとは、その名の通り胃腸炎にかかった子がけいれんを起こしてしまうことです。

はっきりいいます。

このけいれん、なぜ起こるのか まだわかっていません

ただ、多くの場合、ロタウイルスやノロウイルスなどに感染し、胃腸炎になった際に けいれんが起こっているため、これらのウイルスが中枢神経系(脳とか)に直接侵入して悪さをしていたり、このウイルスに対して身体の中で"なんらかの反応"が起きていることが原因と言われたりしています。

"なんらか"って表現しちゃうところが、すごいですよね。
でも、しょうがないのです。わからないものはわからないので笑

少なくとも現時点で研究されてわかっている情報をまとめますと下記のようになります。

① 3歳までに起こることがほとんど(74.5%)
② 胃腸炎になってから1-2日以内に起こる(78.2%)
③ 強直性間代性けいれんがほとんど(87.3%)
④ 脳波で異常はない(てんかんじゃない)
⑤ 積極的な治療はいらない(自然に治る)
⑥ 予後は良い(てんかんに移行しない)

 

ざっくりとなりますが、これだけで十分でしょう。

もし目の前で持続的にけいれんが起こっているのだとしたら、第二章でまとめた通りにけいれんを止めにいきますが、その後は予防的に薬を飲んだりする必要はないそうです。

一応、ロタウイルスが原因の胃腸炎関連けいれんには 低用量のカルバマゼピン 5 mg/kg/日 が治療に有効であると言われています。

 


 

息止め発作

息止め発作とは、生後6ヶ月~6歳までの子が起こす発作です。

"恐怖や動揺を引き起こす出来事やとても痛い思いをした直後に、小児の呼吸が止まり短時間意識を失う"ことを特徴としています。

発症年齢が6ヶ月~6歳と結構広いですが、80-90%の子が1歳半までに初めて発作を起こすそうです。

結局のところ、これもはっきりとした原因がわかっていなくて、自律神経の乱れや、鉄欠乏性貧血などが原因ではないかと言われています。

息止め発作は20-35%が遺伝性と言われています。
一部の家族では常染色体優性遺伝であったという報告もあります。

息止め発作には2つのタイプがあります。

① チアノーゼ型
② 蒼白型

 

両方のタイプを併せてもつこともありますが、基本的にはどちらかがメインとして出てきます。

① チアノーゼ型

子供が かんしゃくを起こした時や、自身が怒られたり、怪我をしたりして"動揺した"タイミングで発作が起こります。

大声で泣いたあとに、息を吐ききったタイミングで呼吸を止めて、チアノーゼ(全身に行き渡る酸素量が減ることで身体が紫になること)を起こし、徐々に意識が遠のいていきます。 短い間で けいれんが起こることもあります。

数秒後に、呼吸が再開し、顔色が戻り意識が回復します。

発作が始まったときに冷たい布を小児の顔にあてると、発作の進行を中断できることがあります。

② 蒼白型

転倒などにより頭や上半身をぶつけ"痛い思いをした"タイミングで発作が起きます。 これは起立性低血圧症などに似ている"迷走神経反射"が原因であると言われています。

起立性低血圧症とは朝礼で校長先生の話を聞いている時に急にふらっときて倒れてしまう女の子とか、電車通勤中に急にふらっと倒れてしまう若い女性のアレです。

迷走神経反射障害によって心臓の動きがゆっくりになりことで、脳に送られる酸素量が減るため、意識消失と呼吸停止が起こります。
まさに"血の気が引く"といった表現が良いでしょう。 顔面が蒼白になるため、蒼白型と言われています。

一般的には頻度は チアノーゼ型 > 蒼白型 らしいです。

診断

息止発作を診断をするための特殊な検査はありません。
てんかんではないため、脳波も正常です。

治療

さきほど、起立性低血圧症の話をちらっと出しましたが、若い女性の低血圧って貧血が関連していることが良くあります。

この疾患も同じで、鉄欠乏性貧血は息止め発作に非常によく関連していると言われています。 なので、貧血の検査をして、必要であれば貧血の治療をしましょう。

インクレミンなどの鉄剤を5-6mg/kg/日 分3で投与します。
投与期間は決まったものはなく、本人の状態に併せて調整されます。
あとは、鉄を多く含んだ食材を食べると良いでしょう。

予後

予後は良好です。 全ての子が成長にしたがい発作が起こらなくなります。
ほとんどの子が4歳までに症状がでなくなりますが、8歳くらいまで症状が出る子もいます。 ちなみに後遺症もありません。神経学的な発達障害の心配はありません。

 


 

チック/トゥレット症候群

チックとは運動や発音をするといった"行動"をとった時に、その行動が、不随意的に、繰り返されてしまう疾患です。

よくトゥレット症候群と同義に扱われたりしますが、似ているようで違います。 これについては後述します。

チックは"運動チック"と"音声チック"の2つに分けることができます。

① 運動チック
・ 首振り
・ 顔をしかめる
・ まばたき
・ 自分を叩く など

 

② 音声チック
・ 奇声
・ 鼻、喉を鳴らす
・ 語尾を繰り返す など

 

上記を踏まえて、下のように定義することができます。

定義
一過性チック症
・いずれの症状も1年未満で消失
慢性チック症
・ 運動チックまたは音声チック1年以上
トゥレット症候群
・ 運動チックかつ音声チック1年以上

 

チックが起こる原因はわかっていません。だいたい就学前の4-6歳ごろに発症すると言われていますが、多くは1年以内に症状が消失します。 1年以内に消失するチックを"一過性チック"と言います。

また、程度こそ個人差はありますが、成人になっても症状が残ることもあります。さきほど、トゥレット症候群とは違うと言いましたが、運動チックと音声チックの両方が1年以上みられる場合にトゥレット症候群と診断されます。片方だけのチック症の場合は慢性チック症と呼びます。

チックは何か考えた時、行動に移そうとした時に出てしまうことが多いです。自分ではダメだ、やってはいけないと思えば思うほど症状が強く出てしまうことがあり、これを強迫症状といいます。 意図した行動に伴って不随意的に起こってしまうため、通常、寝ている時には起こりません。

トゥレット症候群

トゥレット症候群は通常2歳から15歳に発症しますが、96%が11歳までに発症します。 チック症状は、10歳から12歳の間にピークに達しますが、青年期~成人の間に大多数が改善します。

診断
・ 運動チックと音声チックの両方が1年以上みられる場合にトゥレット症候群と診断されます。

 

一般的な合併症には、注意欠陥多動性障害(ADHD)、強迫性障害(OCD)などがあります。

治療

チック症状のより、社会的生活に影響をきたす場合(学校や仕事のパフォーマンスを下げる)、日常生活の活動を妨げている場合、または自分自身が症状によって不快感や痛み、怪我などを引き起こしているときに治療介入が望まれます。

治療の主な目的は、機能と生活の質を改善するためにチックの頻度を減らすことになります。 しかし、残念ながら根本的な治療法はなく、チック症状を完全に止めることは難しいです

治療介入の方法としては、教育、カウンセリング、行動療法(CBIT療法、HRT療法)、薬剤療法、ボツリヌス毒素注射などがあります。

ここでは行動療法のCBIT療法について少しお話します。

CBIT療法

CBIT療法というものについて紹介させて頂きます。

CBIT(シービット)というのは
Comprehensive(包括的な)
Behavioral(行動的な)
Intervention(介入)
for
Tics(チックのための)
の頭文字からとったもので「チックのための包括的行動的介入」の略称です。

 

いわゆる行動療法の一種となりますが、環境づくりやリラックスの仕方などに介入し、チックの症状を和らげ減らしていく働きかけていく方法です。

詳しくは、CBIT療法に関する大きなコミュティができていますので是非ご覧になられてください。

一般社団法人 日本CBIT療法協会http://cbitjapan.com/

私は個人の経験として、大学時代にチック症状に悩まされていた同級生が一人いました。 彼は軽度の運動チックがあり生活に支障はきたしませんが、小さい頃は、チックをネタによくいじめられていたそうです。とても辛いですよね。 ダメだと思っていても、やってしまう。 そしてそれを馬鹿にしてきたり、変な目でみてきたりされることに対して彼は「もう慣れたw」と言っていました。

少し大げさな言い方をしますが"誹謗中傷"に慣れるということがあって良いはずがありません。 私たち一人ひとりがモラルを持つことが大切です。

You Tubeにチック症、トゥレット症候群の方の特集を組まれた動画があります。 心を打たれるものがあります。是非ご覧になられてください。


 

失神・心因性・急性代謝障害(低血糖、テタニー)

失神は突然起こる短時間の意識消失ですが、短時間で自然に回復します。
これを"けいれん発作"にいれるかは悩みましたが、せっかくなので書いておきます。

失神を引き起こす原因としては、"迷走神経反射" "息止め発作" "起立性低血圧" などが一般的です。また有毒物質の曝露や低血糖症、不整脈も失神を引き起こす可能性があります。

また心因性としてヒステリーや過換気症候群などにより失神を起こすこともありますが、小児の心因性の発作はほとんどない言われています。

小児の場合、失神のほとんどが良性です。

しかし、普通 目の前で人が突然意識を失ったら怖いですよね?基本的には失神の原因として心臓病などの怖い病気がないかどうかは精査したほうが良いでしょう。

 


 

以上で、小児領域の"けいれん"については一旦おしまいです!

次回からは"てんかん"について解説していきます!

では、また:)

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