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新生児の輸液 / WQ、TWI、GIRについてまとめ!

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新生児の輸液 / WQ、TWI、GIRについてまとめ!

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新生児の輸液 / WQ、TWI、GIRについてまとめ!

こんにちは! tamakiです:)

今回は新生児の輸液について解説していきます。

新生児の輸液を調整する上で必要な項目は主に下記の4つです。

水分量の設定
糖濃度の設定
各種電解質の設定
その他の細かい調整

では、参りましょう!


水分量の設定

まず水分量について理解する
日齢に応じて水分量を設定する

・ 必要水分量を設定する。
→ 新生児が生命活動を行う上で必要な水分量。
Water quotient:WQ (mL/kg/day)
Total water intakes : TWI とほぼ同義。
深く考えずTWI=WQで良き。

① 日齢0
WQ=50-60 mL/kg/day で開始。

→ 体重≧2000gであれば60-80 mL/kg/dayで開始してもok
→ 日齢1以降の調整:part A 、 part B、 part C

② 日齢1以降の輸液調整
part A
1日あたりWQ=10-20ずつ増やしていく
日齢1: WQ = 60-70
日齢2: WQ = 70-80
日齢3: WQ = 100~を目標に調整

part B
"前日尿量"+"不感蒸泄尿"を基本輸液量と設定する。
体重別の不感蒸泄量は下記の表を参照。

part C
・ 血清Na値が135-145 mEq/Lになるように調整する。
・ 詳しくは電解質のところで!

③ 予め体重で決め打ちしてまってもok

ポイント
・ 授乳が可能であれば、経口哺乳を開始するが、困難な場合に輸液管理が必要。
・ 経口哺乳が可能な目安:35週以上 , 1500g以上
→ 35週未満は「non-nutritive sucking」があり誤嚥しやすい。
→ non-nutritive sucking:嚥下運動と協調性のない飲み込み

 

 


 

糖濃度の設定

まず"今"低血糖になっていないかをチェックする
低血糖に対応した後に輸液の糖濃度を調整する

① 出生後の血糖値(BS)≦50mg/dLだった場合
"10%ブドウ糖液"を 2mL/kg 静脈内投与する
新生児の低血糖:≦40~50mg/dL (施設毎に基準は違う)

② 血糖を維持するための輸液を開始する
5-10%のGlu液を使う(これは施設毎に決めていることがほとんど)
・ 血糖値を維持できるグルコース静注量(Glucose Infusion Rate:GIR)を設定。
GIR = 体内の糖新生で作られる糖分と同値
→ 新生児の糖新生は4-6 mg/kg/minくらい。
→ 輸液では GIR = 2-4 mg/kg/min で開始する。
GIRは1-2mg/kg/minずつ増減する。


略式 = 糖濃度(%)×投与速度/6×体重(kg)

目安
・ 日齢0: GIR= 3-4 mg/kg/min
・ 日齢1: GIR= 4-5 mg/kg/min
・ 日齢2: GIR= 5-6 mg/kg/min

補正に用いるもの:糖濃度
・ フィジオ35 : 10%
・ T3G : 7.5%
・ T3 : 4.3%
・ 50%Glu : 50 %
・ 20%Glu : 20 %
・ 10%Glu : 10 %

ポイント
・ 初期輸液を必要とする早産児は5-8 mg/kg/minの糖分を消費する
・ 児の体内では4-6 mg/kg/minの糖新生が行われる
・ つまりGIR=2-4 mg/kg/minで補正してあげれば良い

 

 


 

電解質の設定

水分を支配するのはNa。まずはNa濃度・投与量を設定する
早産児の場合はKやCaの動態にも注意する

① Naの調整
・ Naは体内の水分量や尿量を調整するのに非常に重要な電解質。
・ 新生児は日齢0-1くらいまではNaが高く、尿量がついてくると低下してくる。
腎臓が未熟であるため、Naの再吸収ができずNaを尿に排泄してしまう
→ 人間の体液の塩分の濃度は通常0.9%(生理食塩水)

添加量としてはNa:2-4mEq/kg/dayで開始する。

血清Naを135-145mEq/Lに維持することを目標にする。
血清浸透圧を保つために135mEq/Lが必要
→ 130mEq/Lを下回る場合は積極的な介入が必要!

補正に用いるもの:Na濃度
・ 10%NaCl : 1700 mEq/L
・ 生理食塩水 : 154 mEq/L
・ T3 : 35 mEq/L
・ フィジオ35 : 35 mEq/L
・ メイロン : 1000 mEq/L

② Kの調整
・ Kは身体の中の電気平衡を保つのに重要な電解質。
→ 低下しても上昇しても心不全を起こす。
・ 新生児は尿量が増えてくると、Naを頑張って再吸収するのにNa-Kポンプを活用するため、Kをより多く排泄してしまう。
→ つまり尿量がついてきたあたりからKの低下に注意する
・ 時間尿量=3mg/kg/hまで出ていて、K<5mEq/Lを切ってきたら補正を開始する。
→ だいたい日齢3頃から補正を開始する。

添加量としてはK:1-2mEq/kg/dayで開始する。

血清Kを3.5-5 mEq/Lに維持することを目標にする。

補正に用いるもの:K濃度
・ T3 : 20 mEq/L
・ フィジオ35 : 20 mEq/L
・ KCL : 2000 mEq/L

③ Caの調整
・ Caは身体の中の電気平衡を保つのに重要な電解質。
→ 低下すると痙攣、テタニー、心不全などを起こす。
→ 出生後は自力で血中Caを上昇させるのが下手くそなので、低Ca血症を予防する目的に介入してあげる。
→ 低Ca血症の指標:血清Caを7-8 mEq/ml以下、 静脈ガスで0.8 mmol/L以下

添加量としてはCa:2-5 ml/kg/dayで開始する。
→ 実際は点滴全体の量と比較してカルチコールを溶液比(10:1)くらいになるように投与する。

補正に用いるもの:Ca濃度
・ カルチコール : 7.85 mEq/mL
・ フィジオ35 : 0.1 mEq/mL

 


 

その他の細かい調整

アミノ酸製剤や脂肪製剤
・超低出生体重児の輸液管理の時に必要。

黄疸の患者
・ 光線療法中→ 不感蒸泄量が上がるため、WQ+10くらいする
・ 脂肪製剤を減らす。(脂肪細胞がアルブミンとBilの結合に競合してfree Bilの割合が増えてしまう)

ポイント
 新生児の輸液を理解するのに重要な周辺知識
・授乳ができるかできないかの判断
・新生児の水分事情(水分量・排泄量)
・新生児の電解質事情
・新生児の血糖値事情
・水分調整に大きく関わってくる臓器(腎臓・皮膚)

 


 

新生児の体内水分の分布を図にしてみました↓

 

新生児の輸液については以上です!

新生児の輸液に"絶対"はないので、この辺の基礎を抑えつつカクテルしていく必要があります!

では、また:)

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