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小児の薬 / 小児科で良く使う薬まとめ【体重別】

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小児の薬 / 小児科で良く使う薬まとめ【体重別】

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小児の薬 / 小児科で良く使う薬まとめ【体重別】

こんにちは!tamakiです!

今回は研修医の先生向けのコンテンツとなります。

小児科で良く使う薬をピックアップしてまとめました!特に ここでは夜間に救急外来に駆け込んできた幼児~学童期を想定したお薬をまとめてあります。


目次の から それぞれの項目に飛べるようにしましたので、気になるページへ飛んでください!また、最後のページに総まとめとして全ての薬剤をまとめていますので参照してください!

目次

解熱剤
鎮咳・去痰薬
便秘症の薬
下痢症の薬
嘔吐症の薬
アレルギー(蕁麻疹)
感染症(中耳炎、溶連菌、水痘・帯状疱疹)
総まとめ

 


解熱剤

まずは解熱剤ですね。一般的に小児領域としては解熱剤は「アセトアミノフェン系」が用いられることが多いです。
その理由は痛み止めとして成人が良く使う"NSAIDs(ロキソニンとか)"と比較して"胃腸障害"や"腎障害"などの副作用が少ないからです。NSAIDsは基本的に使わないと思ってください。

「飲ませなければだめですか?」
「どれくらい熱が出てたら飲ませていいですか?」
「どれくらいの間隔で飲めせればいいですか?」
「座薬と経口薬はどっちがよく効きますか?」

と親御さんから質問されることも多いと思います。

僕は良く"38.5℃以上の発熱があり辛い時(ぐったり感や頭痛があるなど)に使用してください"と説明します。
例えば37.6℃の熱があるけど、元気に走り回ってて、ご飯もしっかり食べられている子にわざわざ飲ませなくも大丈夫です。 解熱剤の使用は本人の体調や活気などを診て使用すると良いでしょう。
解熱剤を繰り返して使用する際には間隔として6時間以上あけて使用すると良いでしょう。 アセトアミノフェンといえども、多量に摂取すると"肝障害"を起こすリスクが高まります。

経口薬と座薬の効果の違いについてですが、結論から言うと"経口の方が座薬より早く、良く効きます"
なので経口ができる年齢であれば原則 経口薬を処方しましょう。

(小児の薬の選び方・使い方改訂5版 より)

解熱剤を処方して様子を診る機関としては3-5日くらいの施設が多いようです。
僕は3日間 発熱が持続していたら、4日目以降に医療機関を受診するように指導しています。

使い方は下記の通りです。


鎮咳・去痰薬

鎮咳・去痰薬は解熱剤と同じくらい使用頻度が多いですね。
主に感冒や気管支炎、肺炎などに使用することが多いです。

使用される薬は「鎮咳薬」 「鎮咳去痰薬」 「去痰薬」の3種類に別れます。
小児科では鎮咳去痰薬として"アスベリン"が使用される頻度が多いと思います。
実際にはこのアスベリンに通称"ムコムコ*"と呼ばれる去痰薬が一緒に出されることが多いです。(*ムコムコ:ムコダインとムコソルバン)

しかし、アスベリンにムコムコを併用することが有効であるというエビデンスはありません!

絶大な効果があるわけではなく、感冒に対して必ずしも出さなければならない薬ではありません。 しかし鼻水・咳を主訴に病院にきたのに薬をもらえなかった!となると親御さんは病院には来なくなりますよね(汗)

使い方としては下記の通りですが、僕はアスベリンは年齢で処方量を決めてしまっています。


便秘症の薬

突然ですが、学童期のお子さんの腹痛の原因で最も多いものはなんでしょうか。
僕が勤務している病院に腹痛で受診する学童の60%が便秘症です。
それだけ、小児科にとって便秘は欠かせない疾患となってきます。

「毎日うんちは出ているんだけど・・・」
「腹痛はあるけど、下痢はないんです・・・」
「吐いてます・・・」
「浣腸をして癖になりませんか?」

こういった主訴や質問を聞く機会が多いと思います。

成人では「下痢なし嘔吐」と効くと、結構 嫌な感じがしますが、小児では以外に便秘症だったりするので、落ち着いて、まずは浣腸を検討してみましょう。(ここでは、便秘の時の薬について まとめますので、腹痛の鑑別や疾患については一旦おいておきます。)

毎日うんちは出ているのに便秘症になるのか?答えは"YES"です。

うんちが毎日出ていても少量であったり、コロコロうんちばかりで、きれいなバナナうんちが出ていない時は便秘症になります。

便秘症の時に病院で まずやることは、 基本的には"浣腸"です。

夜間にお腹が痛いといってうずくまっていた子が、浣腸をしたら先程までの痛みが嘘のように引いて笑顔で帰っていくなんてことは よく見る光景です笑

浣腸をして癖になるか?の答えは"NO"です!
便秘は癖になりますが、浣腸は癖になりません!浣腸をして便秘癖を治してあげると考えましょう。

便秘薬にも色々ありますが、僕が使用する薬剤は主に3種類です。

グリセリン浣腸(浣腸液)、マグミット(浸透圧性下剤)、ラキソベロン内用液(刺激性下剤)です。

夜間に救急外来で来た子には浣腸だけで帰すことが多いですが、日中に「うんちが出ない」といった主訴で来られた患者さんには内服薬で1-2週間ほど様子をみて、排便コントロールが付くか確認します。

もちろん、薬が全てではなく生活指導等も必要ですが、ここでは薬を中心にまとめていますので詳しことは割愛します


下痢症の薬

先程の便秘症とは打って変わって、今度は下痢症の時ですね。
下痢の原因は様々ですが、便秘症と比較してあまり良いものではありません。

感染性胃腸炎、虫垂炎、食中毒、過敏性腸症候群、食物アレルギーなどなど鑑別しなければならないものは多いです。

本来、下痢とは、体内の自浄作用により自分の身体にとって有害であるものを体外に排出しようと腸管の働きが過剰になっている状態に起こることが多いです。

なので、下痢を無理に止めようとすること事態は身体にとって良くないことです。ただ、あまりに下痢症状が強いと脱水症になってしまったり、同時に腹痛を伴っていることも多いため、ほうっておくのも可哀想ですよね。

特に下痢の時は腸内細菌のバランスも崩れていて、身体にとって良い働きをする菌も洗い流されてしまうことが多いです。そこで整腸剤を処方してあげることで、腸内環境を整えてあげるというのが整腸剤の役割です。

整腸剤にも様々な種類がありますが、僕が基本的に使うのはミヤBMだけです。
大人から子供まで万人に使えますし、新生児にも使えるので使いやすい薬です。


嘔吐症の薬

嘔吐の原因も様々です。医療の本質は病因の特定と除去、そして患者様の活力を底上げすることにあります。なので、嘔吐の症状を抑えてあげることは、それ自体は治療ではないということを理解しておいてください。

基本的には制吐剤を使うことが多いですが、便秘が原因であったりすると浣腸をするだけで嘔気が治まることも多いです。

制吐剤には経口と座薬の2種類がありますが、基本的には"座薬"を出しましょう。 吐き気があるのに口から薬を飲めというのも変な話です。

ここでは幼児~学童期のお子さんに使用する薬についてまとめていますが、夜間に救急外来にくる嘔吐症は、新生児~乳児もかなり多いです。ここでは詳しい解説はしませんが、新生児~乳児に制吐剤を処方して帰宅されるということは絶対にしてはいけません。 新生児~乳児の嘔吐症は制吐剤でコントロールできるものではありません。 またこれについては別途まとめたいと思います。

使用する薬剤はナウゼリン座薬・内服もしくは、点滴をするならプリンペランを点滴に混ぜて使用することもあります。夜間に薬を処方するときは頓用で2回分程度を処方しています。

 


アレルギー(蕁麻疹)

アレルギーと 一言でまとめてしまっていますが、夜間に救急外来でくるお子さんの多くが食物アレルギーもしくは非特異性の蕁麻疹です。中にはアナフィラキシーで来る子もいるため注意が必要です。アナフィラキシーについては別途まとめる予定です。

「夕ご飯を食べて、お風呂に入ったら急に全身に蕁麻疹が出てきたんです。」
「キャンプから帰ったら全身に蕁麻疹が出てきて」
「蕁麻疹が出ました、かゆみがあるので塗り薬をください」

このような主訴が多い気がします。

この時、アナフィラキシーかどうかを確認するために問診・身体診察で呼吸障害(断続的な咳、喘息様症状)腹部症状(腹痛、嘔吐、下痢)循環症状(顔面蒼白、血圧低下)がないかは確認する癖をつけてください。見逃すとショックに至る可能性があります。

アナフィラキシーついてはこちら↓

 

蕁麻疹は"数時間のうちにきれいさっぱり消退する膨疹・紅斑"ですので、基本的には基本的に慌てることはありません。 全身性に蕁麻疹が出ており、見た目がひどい子でも、意外に症状としては掻痒感のみでケロッとしている子も多いです。

蕁麻疹が接触性のものなのか、食餌性のものかどうかは服の下まで蕁麻疹が出ているかを確認することである程度わかります。

半袖、半ズボンの露出している部分や顔に限局している場合は接触性の可能性が高いですが、お尻など衣類で覆われた部分にまで蕁麻疹がある時は食餌性によりアレルゲンが血流をめぐって全身に行き渡った可能性を考えます。

基本的には、薬剤としては抗ヒスタミン剤を使用します。抗ヒスタミン剤は第1~3世代までありますが、中枢組織への移行性の少ない第2世代以降を選択するほうが良いでしょう。

また塗り薬は効果がほとんどありませんので処方しません。抗ヒスタミン剤もたくさんありますが、下記の3種類を抑えておけば良いでしょう。


感染症(中耳炎、溶連菌、水痘・帯状疱疹)

最後に救急外来でよくみる感染症と、たまーに来た時に薬の処方で悩むことが多い水痘・帯状疱疹の薬剤についてまとめます。

上記の診断の仕方についてはここでは詳しく触れません。
あくまで診断がついた後、どのように処方するのかをまとめました。

溶連菌感染症は処方期間に注意しましょう。10日間ととても長いです。

僕の実体験ですが、他のクリニックで溶連菌感染症と診断された中学生の女の子が、AMPCを3日間しか飲まなかった結果、リウマチ熱に移行して僕の勤務する病院に入院となり、2ヶ月間の闘病生活の後に、退院後もほぼ生涯にわたって抗菌薬を予防内服しなければならなくなったということがありました。

溶連菌はよく出会う疾患ですが、薬をしっかり飲むように指導することが重要です。また溶連菌は、溶連菌感染後糸球体腎炎に移行することもあるため、治療完了後に1週間後くらいに尿検査はしておいた方が良いでしょう。

下の表で中耳炎の処方が2通りあるのは、分3だとお昼分の内服が保育園ではできないといった悩みをもつご家庭も多いため、高用量を分2で処方することがあります。


総まとめ

今回は夜間に救急外来に駆け込んできた幼児~学童期を想定したお薬をまとめてみました。

このブログでは小児科ローテート中の研修医の皆さん、小児科医として働き始めたばかりの後期研修医の皆さん、はたまた小児科専門じゃないんだけど、半年間小児科で研鑽を積まれている総合診療科の先生などなど、小児科を学ぶ多くの方々を応援しております!どうぞよろしくお願い致します。

下記に研修医時代に特に良く参考した本を下記にまとめておきます!
読みやすくて、1冊持っていても損はないはずです:)