かんがるーけあ

Home » 口腔内病変 » 小児の口腔潰瘍 / 口唇ヘルペス・ヘルペス歯肉炎

小児の口腔潰瘍 / 口唇ヘルペス・ヘルペス歯肉炎

calendar

reload

小児の口腔潰瘍 / 口唇ヘルペス・ヘルペス歯肉炎

スポンサーリンク

小児の口腔潰瘍 / 口唇ヘルペス・ヘルペス歯肉炎

こんにちは!tamakiです:)

今回は小児の口腔潰瘍の中でも単純ヘルペス感染症について解説していきます。

口唇ヘルペスによる“口唇の潰瘍“とヘルペス歯肉炎により“歯肉潰瘍“が特徴ですが、どちらも痛みを伴うため、食欲が落ちて脱水症をきたしてしまうことが多いです。

抗ウイルス薬による治療も期限があるため、治療開始のタイミングを見計らう必要があります。

単純ヘルペス感染症

  • 病態
  • 治療

 


 

病態

タイトルにもあるとおり、この病気は単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)による感染症です。

ウイルスが口唇・粘膜の細胞内に感染して、内部で増殖して出てくる時に細胞溶解を起こすため"潰瘍"ができます。

一度 感染すると、細胞から奥(体内)へと侵入し、神経を伝って神経節と呼ばれる部分に生涯にわたって潜伏します。普段は休眠状態となり、大人しくしていますが、宿主が弱っている時を見計らって活動を再開します。そうするとまたヘルペス感染症として症状が現れます。

口腔粘膜病変は感染した子供もしくは成人との接触から約1週間後に発症します。接触してから子供が感染するのは13−30%くらいと言われています。

口唇ヘルペスの発症部位

 

発症すると下記のような前駆症状をきたします。

前駆症状
・38℃以上の発熱
・食欲不振
・神経過敏
・倦怠感
・不眠
・頭痛

 

その後、口腔内の粘膜病変が出てくるわけですが、口唇および歯肉に易出血性の潰瘍を形成します。触れると簡単に出血をきたすのが特徴的です。

症状は軽度であれば約1週間で瘢痕化することなく治癒しますが、重症の場合は治癒に14−21日かかる場合があります。

症状は下記のような時系列を辿ることが多いです。

 

臨床経過 ・発熱 4.4日(0−8日)
・口腔病変 12日(7−18日)
・口腔外病変 12日(0-19日)
・摂食困難 9.1日(4-17日)
・飲水困難 7.1日(範囲なし)
・流涎 6.6日(0−13日)
・ウイルス排出 7.1日(2−12日)

治療を開始すること上記の日数が3−6日短縮されると言われます。

 


 

治療

治療は大きく分けて"支持療法"と"抗ウイルス薬"の2つになります。

支持療法

水分管理
口腔内の疼痛により飲食が満足に摂れていないことが多いため、水分補給をしっかりと行うことが必要です。ヘルペス口内炎がきっかけで飲水量が減り、尿量減少と脱水症を主訴に来院してくることが多い印象です。

疼痛管理
痛みが強い場合は経口でアセトアミノフェンやイブプロフェンを使用することがあります。夜も眠れないほど痛みが強い時は、"経口アヘン剤"が必要になることもあります。アヘン剤を使用するときは副作用である呼吸抑制、中枢神経障害、低血圧、便秘症などに注意が必要です。

唇の癒着の予防
唇にバリアクリームとしてワセリンやプロペトを塗ることが推奨されています。

抗ウイルス薬の適応

抗ウイルス薬の適応は“発症から4日以内“であるかどうかが重要です。また免疫不全の"ある" or "なし" で抗ウイルス薬の投与量も変化します。

免疫不全がない

発症から96時間以内
飲めない、激しい痛みがある、発病から96時間以内であれば“経口アシクロビル“による治療が推奨されます。薬も飲めないときは点滴静注で加療を行います。

経口アシクロビル(ACV)
・15mg/kg/day 分5(分3) 5−7日間(最大単回投与200mg)

静注アシクロビル(ACV)
・15mg/kg/day 分3 5−7日間(最大単回投与200mg)

・3−5日間投与して効果がなかったら中止→原因再検索
・5日間投与で症状改善していたら中止可能
・経口は分5が推奨。症状が改善してきていれば分3 可能。

 

副作用
吐き気、嘔吐、下痢、頭痛、尿細管の結晶化による腎不全が特徴的です。とくに脱水症の時に起こりやすく、脱水を改善する前に治療に踏み切る場合は注意が必要です。

発症から96時間以上経過
支持療法のみ。抗ウイルス薬は使用しない。

免疫不全がある

経口アシクロビル(ACV)
・1000mg/day 分5(分3) 7-14日間(2歳以上)

静注アシクロビル(ACV)
・30mg/kg/day 分3 7−14日間(全年齢対象)

 

 

Q. 抗ウイルス薬のアシクロビルとバラシクロビルの違いは?

A. バラシクロビルはアシクロビルの前駆物質になります。アシクロビルの吸収率が20%なのに比べて、バラシクロビルは吸収率が70%と吸収効率が上がっています。そして体内に吸収されるとバラシクロビルの約54%がアシクロビルに変換されます。

バラシクロビル投与量
<10kg未満>
・経口 バルトレックス 75mg/kg/day 分3
<10kg以上>
・経口 バルトレックス 50mg/kg/day 分2

 


 

以上です。今回は口唇ヘルペスについてまとめてみました。

口が痛いとまともに食事もできなくなってしまうため、気がついたら早めに治療を行いたいところですね。

では、また:)

この記事をシェアする

コメント

コメントはありません。

down コメントを残す